軒立大学の先生(中国文学の中国人老師)が、何故かホラー映画の「フレディvsジェイソン」のDVDを貸してくれる。
 ホラー映画は、自分の生命・安全が担保されていることを前提にした上で揺さぶりをかけ、その存在を再確認するという、機能としては遊園地の絶叫マシーンに似た装置であると思う。自然環境を征服し、社会のインフラも整備されて数十年先までの人生の見通しが立てられるようにならない限り(つまり一定レベルでの近代社会が到来しない限り)こうした一種の「倒錯」した装置は人々に享受されない。
 以上の点を踏まえ厳粛な心持で映画に向かった私であるが、鑑賞後ふつふつと沸きあがる憤りを禁じえなかった。
 ひでぇぜ。
 最近観た中では「ジョニー・イングリッシュ」を抜かしてダントツ一位の座についた。(ジャンルは違うが、どっちも主役のキャラに乗りかかりすぎたという意味で共通。)