先日の日記でおやじ景気およびその牽引者である雑誌『LEON』について言及したところ、東の都に住む友人inzagiko氏より『LEON』が送られる。本体価格780円のところゆうパックで820円もかけて山猫まで送付してくれた氏の豪胆さに感謝と驚愕の念を禁じえない。

雑誌は、うわさに違わぬ非常に画期的かつ刺激に満ちた内容であった。例えば、

「ちょい『不良』(ワル)、ちょい『枯れ』なオヤジの両巨頭には、ジュエリーの持つアクを中和する、年齢を重ねた渋味とよゆうも持ち合わせており、ネックレスなどを着けてもイヤミな感じなどしないもの。」

→年をとることを「老化」「加齢」といった否定的な価値観で捉えず、「ちょい枯れ」という表現でポジティブな新境地を開拓。「よゆう」と平仮名で書いたのも洒落っ気に違いない。文面から「だからこのジュエリーを買え」というシンプルなメッセージが伝わり、好感触。

また「レオン」オヤジには「ニキータ」という理想の女性が対置されている。


「世のニキータの多くは、スポーツカーやSUVよりも、実は大型セダンがお好き。というのは本当の話である。」   「『大人の週末』への期待にニキータも胸を躍らせるはず」

→天がける翼のごとく、自在に女性心理を描き出す文章力。

このように本文からの引用は尽きないのであるが、最後に来月号の予告が非常にユニークであったため紹介したいと思う。

  • LEON女性版「NIKITA」月刊創刊(今秋予定)

完全保存版・女性のための本格時計BOOK
艶女*1は、時計で出し抜く!」

艶男*2だけのものにさせておくな!今は機械式時計はSEXYな女性のためにある!


アデージョアデオスとは全く持って見事としか言いようの無い言語センスである。ここに込められた煩悩の深度・強度が容易に推察されよう。

問題点として挙げられるのは、雑誌表紙の惹句にある「必要なのはお金ではなくセンスです!」である。例えば一枚のシャツに2万9千円を出せる層はやはり現在の日本では限られよう。所有する金額の多寡で「モテる/モテない」が決定することは人間関係学部を抱える山猫軒立大学としても看過できない状態である。そこで、大学では主に社会人を対象として以下の特別講座を開設する。

*1:艶女アデージョコムスメが背伸びしても絶対届かない、圧倒的経験値から繰り出されるお洒落ワザで、他を寄せ付けない「モテる女性」

*2:艶男アデオス」遊びの対象としてコムスメをコロがすも本気の相手とはせずに、ついムリめな女に惹かれる、いわゆる「モテるコヤジ&オヤジ」