[おやつ」

旧暦の8月15日は中国の伝統的な祝日「中秋節」にあたります。
今年で言うと、明日の14日がそれです。
中国人とっては、この日は家族や友人とそろって「円く」食卓を囲み、
家族団欒を楽しむ結構大切な行事です。
今年から法定祝日にもなったので、そのにぎやかさや消費傾向には注目が
集まっているそうです。
日本でもちょっと昔までは丸い「月見団子」をこさえて「お月見」するご家庭も
まだたくさんあったのではないでしょうか。
私がごく小さい頃などは、団子にゆで栗をお盆に山盛りにして、すすきを飾って
縁側でお月見をしました。楽しかった。

日本ではお月見団子ですが、中国では「月餅」という、
中村屋や中華街のお土産で日本人にも割合となじみのある、
あのどっしりとした丸いお菓子が大変重要な存在となっています。

本場の中身は小豆餡、ハス餡、胡麻、栗、クルミ、フルーツや、月に見立てた
しょっぱい黄身入り、など日本の月餅にはないバラエティに富んでいます。
基本的にたいへんカロリーの高い食べ物です。
ものによっては軽食並み、イヤそれ以上に腹もちが良い。

中秋節あたりの中国全土では、この月餅が、そうですね、日本で言うところの
お中元やお歳暮のような熱意と頻度で親しい人たちや
日ごろお世話になっている人たちに配られるのです。
この時期に中国に住んで、なんらかの社会関係を結んでいたら

「義理ゲッペイ」
「お土産ゲッペイ」
「とりあえずゲッペイ」
「やっぱりゲッペイ」

など、さまざまな場所で月餅が乱れ飛ぶらしいですねえ。
アアなんて、うらやましい。
だって、私、月餅が だ  い す き なんですもの。
カロリー高くても、いいの。

さて、中国の高度経済成長とともに、月餅のポトラッチにも
華美な要素が多く含まれるようになったと仄聞します。
ひと箱150〜200元(1元=15円)あたりがどうも主流らしいですが
日本円にしても3〜5000円あたり、それで日中間の物価の差を考えたら…
月餅にはどれだけ重要なミッションが与えられているのか
想像に難くないことです。

写真は、年々華美に、過剰になっていく月餅たちの一例です。
まるで宝石のようですね!
でも中身は月餅ですよ!!
これなら、インポシブルなミッションも解決できそう!!!

国際的には、また別な問題が発生しそうですが
それについてはここでは考えません。

みなさま、美しい月餅の数々を、写真でご堪能ください。