(満面の笑みを浮かべながら)

「今日の給食、牛乳以外全部おかわりしたよ!
にくのじゃんけんにも勝ったんだ!」

へー何の肉?

「…わかんない。得体のしれないにく。パン粉的なものが付いてる。」


得体のしれないものを口にするんじゃないッ!!

→給食表を見たら、「豚肉の香草パン粉焼き」でした。


「5人位おかわりじゃんけんに名乗り出ててね、
先生とじゃんけんして勝ったらもらえるんだけど、
もーあたし先生の出す手がいちいちわかったもん!!」



よーし、じゃあ仮にここに「にく」があるとして
3回勝負でじゃんけんしてみようか。
と、いうことでじゃんけんしてみました。

中くらいの学生さんは真剣そのものの表情で、その拳を空を切る勢いです。
これは負けてはならじとこちらも全身に気迫を込めて迎え撃ちます。
3回勝負のうち、2対2というところまでこぎつけました。

いよいよ、最後の勝負。

互いにしばし沈思黙考ののち、

「じゃああああんけええええんーーーッツ」

裂帛の勢いで繰り出された拳の行方は!!

中くらいの学生さんは、パー
そして私は


グー。

くっ、ま、負けた…
実在しないエアにく勝負なのに、負けた…

恐るべし思春期の食欲よ……。

っていうか、おまえ、その気力の半分でも受験に注げばいいじゃないか
ということに、ようやく気が付きました。